2023.01.31
太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電(10kW未満)を設置している戸建住宅は、2019年度末時点で267万戸を超え、普及率は全戸建住宅の9%にも及びます。近年世界中で問題となっている地球温暖化。原因となる温室効果ガスを出さない発電方法で、温暖化対策に役立つと、太陽光発電への注目が高まっています。環境にやさしく、電気代も安くなるなど、良いことだらけのように思えますが、実際のところどうなのでしょうか。太陽光発電のメリット、デメリットを考えてみましょう。
●太陽光発電の6つのメリット
年々、電気代が上がり続け、普及が進みつつある太陽光発電ですが、ほかの発電方法と比べてどんなメリットがあるのでしょうか。大きく分けて6つ、順にみていきましょう。
①電気代が安くなる
電気を自家消費(発電した電気を自宅で使用)するわけですので、電気代が安くなりますよね。昼間に使う電力を太陽光発電だけでまかなえれば、その分の電気代はかかりません。使われる電気の方が多い場合は、不足分を電力会社から買うことになります。
②余った電気はFITで売電
余ったら電力会社に「売電」し収入を得ることができます。その制度を固定価格買い取り制度(FIT)と言い、電力会社が一定期間、一定の割高な価格で電気を買い取ることを国が保証します。買い取り価格は国が決め、買い取り価格は10年間保証されているため、採算がとりやすいですよね。
③災害時の停電対策になる
大規模な災害ともなれば、停電が長期化する恐れもあります。自宅の屋根などで太陽光発電をしていれば、災害で停電になっても自家製の電力が頼りになります。より現実的な対策としては、発電した電気をためておく蓄電池も必要になりますが、自家製の電気が確保できていれば、緊急時も安心ですね。
④メンテナンスが簡単
太陽光発電のモジュールは故障しにくい特性があります。多くの故障の原因は、何かが当たった衝撃や、汚れなどによるものです。こまめに点検、洗浄をすることで大半のトラブルが防げます。火力や風力など、ほかの発電システムなどと比べても、メンテナンスが非常に簡単です。
⑤安定したエネルギー源
資源の少ない日本にとって太陽光発電は貴重な国産エネルギーです。枯渇する恐れもないことは大きなメリットです。国内で消費されるエネルギーの大半は、海外からの輸入に頼っているのが現状です。太陽光発電なら長期にわたって安定的に電力を確保でき、国内で使われる電力を国産でまかなうことができます。
⑥温暖化対策に効果
温室効果ガス、特に二酸化炭素を排出しないことは、温暖化対策にはとても効果的です。火力発電のように空気を汚すことはないですし、モジュール周辺でも騒音も出ません。太陽光発電は設置者に利益をもたらすことはもちろん、持続可能な社会をめざすという地球規模の課題にも貢献できるのです。
●太陽光発電の2つのデメリット
①設置場所が必要
太陽光発電を行うためには、まずソーラーパネルの設置場所の確保が必要です。多くの場合、住宅用の太陽光発電システムは、戸建の屋根の上に設置します。新築時であればあらかじめソーラーパネルの設置を想定して住宅設計ができますが、既設の戸建住宅の場合、屋根の構造や向きによっては設置できない可能性があります。
【対策】購入にこだわらず、リースを利用するという方法もあります。
②発電量が天候・時間帯に左右される
日没後はもちろん発電できませんし、曇りや雨の日は発電量がガクッと落ちることもあります。また、気温が高すぎても発電効率が下がることもあります。年間を通してみれば一定の発電量はありますが、時期によって大きな差が出ることも想定されます。
【対策】避けることは難しい要素です。電気の使い方の見直しや、電気料金プランの見直しを検討してみましょう。
●まとめ
太陽光発電は発電量が天候に左右され、安くなったとはいえ設備コストがかかってはしまなどの課題があります。ですが、先行する欧米では太陽光発電の普及が進み、火力発電などにも負けないくらい発電コストが下がってきました。長期的にみれば、日本も太陽光発電の設置費用などは下がっていくことが予想されます。また、国内でも再生可能エネルギーの普及に向けての流れができており、制度も出来上がっています。導入に向けての課題はありつつも、社会的なメリットを考えると、設置することは良い選択かもしれません。太陽光発電を設置してみたいという方は、導入のメリット・デメリットをよく理解したうえで、検討してみてはいかがでしょうか。