東北電力と東京ガスは7月30日、関東圏における電力小売事業を行うため、共同出資により新たに電力小売事業会社を設立すると発表した。設立時期は今年10月、電力供給開始は来年4月を予定する。事業エリアは北関東を中心とした関東圏。
対象は高圧・特別高圧の事業者となる。設立時資本は9.9億円(資本金4.95億円、資本準備金4.95億円)、出資比率は両社均等だ。
東京ガスとしては、東北電力が有する安定した電源を確保することで、ガスの顧客に対する電力販売をグループとして強化していく考えだ。東北電力としては、東京ガスがもつ関東圏の顧客を取り込む大きな足掛かりとなる。北関東には東北の企業も多いため、両社が手を組むメリットは大きい。電力システム改革が進むなか、大手エネルギー企業の連合が模索されているが、今回の新会社設立もその流れに乗ったものと言える。
両社は、「エネルギー利用とエネルギーコストの低減の実現を図り、関東圏のエネルギー供給の一翼を担うことで、地域の皆さまとの共生を通じて、地域経済の活性化に貢献してまいります」と述べている。
なお来年4月には電力小売全面自由化が実施され、一般家庭向けの電力販売も開放されるが、新会社は家庭向けの電力供給は行わない。東京ガス広報部によると、一般家庭に対しては、同社が自ら小売電気事業者となって販売することを検討しているという。