設置100カ所5年前の3倍超え 手間省け燃料費不要
太陽光発電を利用して野菜などの畑に水をまく「自動かん水装置」の導入が、岡山県内で広がっている。従来のエンジン駆動の装置のように手動で作動・停止する必要がなく、燃料費もかからないことから、設置個所は5年前の3倍超となる約100カ所に増加。県が昨年春に上方修正した設置目標(2020年度末で115カ所)を上回るペースとなっている。
自動かん水装置は、太陽光パネルで生み出した電力でポンプを動かし、ため池や用水から水をくみ上げてタンクに貯水。タンク内の水位が一定量以上になればセンサーが感知し、畑に張り巡らさせたチューブ管に自動給水して水をまく仕組み。
ポンプは太陽光で作動するため、畑が乾燥する晴れた日に水をくむ上げて配水する。一方で、水まきが必要ない雨天時は作動しないため、農家が畑に出向いて装置を作動したり止めたりする手間が省ける。
一般的に普及しているエンジン駆動のかん水装置は、ガソリン代がかかる上、天候をみながら装置を起動・停止しなければならない。用水の堰を開いて畑に水を引き込むかん水方法もあるが、堰の開閉作業が必要となる。
自動かん水装置は、近畿中国四国農業研究センター(福山市)が05年度、農作業の効率化や負担軽減を狙いに開発。岡山県内は、08年ごろから普及し始め、キュウリやナス、アスパラガスなどに使われている。
同センターによると、10アールの畑では出力40ワットの太陽光パネル装置で対応でき、全体の設備費用は20万円前後。県は生産者団体が導入する場合、設備の3分の1~4分の1を負担する補助制度も設けている。
4年前、キュウリ畑21アールに導入したJAつやま久米南キュウリ部分の前部会長、光元一郎さん(57)=久米南町別所=は「設置に約30万円掛かったが、かん水にかかる時間と労力はほぼゼロになった。炎天下のかん水作業は大変で、導入の価値はある」と話す。
岡山県農林水産総合センター(赤磐市)は「岡山は晴れの日が多い上、夏場に十分な水が確保しにくい地域もあり、導入メリットは大きい。高齢化が進む農家の負担を和らげるためにも普及を後押ししたい」としている。
農作業は、高齢化している農家にとっては負担が確かに大きいと思う。これなら、画期的といえるのではないでしょうか。太陽光の特徴を生かした開発で、もっといろんな場面で生かせる利用が開発されればいいなと思いませんか?若い世代でも農業に興味を抱いている人が増えている現状の中でアイデアがいろいろ出てくるのではないでしょうか?今後の開発に期待がかかるね。