2015.06.26

再生エネ優遇、ドイツでも曲がり角 「副作用とは?」

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  (Wedgeより)

再生可能エネルギー先進国のドイツで、風力や太陽光で発電した電気を高値で買い取る優遇制度が曲がり角を迎えている。昨年、国の電力に占める再生エネの電源構成比が最大となった一方で、電気料金の高止まりなどのひずみも生じている。政府は電気を入札して買い取る制度改革に乗り出し、自然電源の後押しを続ける構えだが、改革には環境保護派からも反発が出る皮肉な状況になっている。

高騰する電気料金

ドイツは2000年、再生エネの「固定価格買い取り制度(FIT)」を導入。これが奏功し、再生エネの発電比率は、昨年ついに、これまで最大だった褐炭(かったん)火力を追い抜いた。 「再生エネによる発電比率は26%に達した。いまや最大の電力供給源だ」

経済エネルギー省のライナー・バーケ事務次官は今月上旬、フジサンケイビジネスアイなど日本記者クラブ取材団と会見し、こう述べた。ただ、「技術開発のための助成は終わった」とも話し、「これからは競争原理に基づく助成になる」として、政府が昨年夏に決めた優遇策の改革に意気込みを示した。

昨夏の制度改革では、再生エネ事業者を入札で決める仕組みを採り入れた。FITは高値で電気を買い取る費用を、電気料金に上乗せして徴収する。入札制はできるだけ買い取り額を抑える狙いがある。

改革の背景にあるのは、再生エネの急拡大が、電気代の一段の値上がりを招く恐れがあるためだ。ドイツの電気料金は「フランスの倍」(産業界関係者)。買い取り価格は20年保証されるため、導入量が年々増えれば、それだけ電気代への上乗せ分が増えていく。

入札制に中小反発

改革には中小事業者から不満が漏れる。環境保護団体グリーンピース系で再生エネ供給を手がける「グリーンピース・エナジー」の広報担当者は、入札は「体力がある大企業が有利だ。中小事業者は生き残れなくなる」と危惧(きぐ)する。

5年までに45%の再生エネ比率の目標を掲げる政府は、電力需給の「南北問題」にも直面している。

海に近い北部は風力の開発が進み、豊富な再生エネ電力を抱える。一方、産業が集積する南部は、原子力発電が主要電源となってきた。22年までに全原発を停止する「脱原発」を掲げる政府としては、北部の電気を南部に送って使いたいが、南北を結ぶ高圧送電線の貧弱さがネックになっている。そのため、送電網整備は「(脱原発と再生エネ拡大の)エネルギー大転換の鍵」(バーケ氏)だ。

ところが、送電網整備ははかどっておらず、16年までの整備計画は4割しか完了しないとの予測もある。高圧線鉄塔の敷地探しが進まないのが大きな要因だ。候補地の住民は「自分の庭先はごめんだ」という反発が強く、地元の環境保護派が同調するケースも多い。

海に近い北部は風力の開発が進み、豊富な再生エネ電力を抱える。一方、産業が集積する南部は、原子力発電が主要電源となってきた。22年までに全原発を停止する「脱原発」を掲げる政府としては、北部の電気を南部に送って使いたいが、南北を結ぶ高圧送電線の貧弱さがネックになっている。そのため、送電網整備は「(脱原発と再生エネ拡大の)エネルギー大転換の鍵」(バーケ氏)だ。

ところが、送電網整備ははかどっておらず、16年までの整備計画は4割しか完了しないとの予測もある。高圧線鉄塔の敷地探しが進まないのが大きな要因だ。候補地の住民は「自分の庭先はごめんだ」という反発が強く、地元の環境保護派が同調するケースも多い。

FITは再生エネを一気に普及させるには適しているが、“副作用”への対応も課題とされる。ドイツの改革の行方は、FIT導入国の日本の専門家にも注目されている

先のドイツより日本はエネルギー政策に対し責任の所在が?的に消費者に負荷がかかっていく不思議さに人間特有な「後になって気づく生き物」である再確認を当時の選択者ではなく先の世代が感じる先送り癖は続く?! 13年10~12月、同価格は30.5万円と2.5万円上昇していた。

そこで、(1)設備認定後の意図的な着工遅延を調査した報告徴収に基づいて収集したデータ(つまり運開前の設備発注段階)により、同価格が27.5万円に下がっていること、(2)非住宅用太陽光発電の設備利用率が13%と従来に比べ1%向上していることから、14年度買取価格を32円/kWhに切り下げることを調達委で決めた当時、安いとの声がありましたが、32円という買取価格は、依然、欧州FIT先行国と比べて2倍以上の水準にある。米国でも、モジュール価格の低下により、太陽光発電コストは昨年1年間で約3円下がり11円/kWhである。

しかし、世界中で日本だけがコストが下がらないどころか、上昇している。普及によってコストダウンを促すFITの政策目的は根底から問い直されている。なぜ高止まりしているのか。よく円安が理由に挙げられるが、国内のモジュール出荷価格は国際的な相場に近づいており、円安の寄与度は小さい。考えられるのは、(1)太陽光発電の施工需要が急増しても、同じ地域内の工事・電気設備業者数はそれほど増えないので、工事費等が高騰している、(2)買取価格が高すぎるので、コスト削減意欲が大きくない企業も参入していることだ。つまり、よく「日本はコストが高いから買取価格が下げられない」と言われるが、反対に「買取価格が高いからコストが下がらない」可能性がある。

コストダウンを促すためには入札等の制度変更が必要だが、すぐにでもできることは、第三者へのコストデータの公開である。非住宅用太陽光発電だけで約12万件の年報が提出されているが、領収証等の提出は不要。虚偽報告は認定取り消しになるので、必ずしも多くはないだろうが、単純な記載ミスはありうる。したがって、年報にコストのエビデンスを求めるとともに、コストデータを研究機関などに公開することで、コストダウンを妨げる要因の定量的検証を進めるべきだろう。

日本におけるエネルギー政策はドイツ先手のお手本がありながら後続にも関わらず見切り発車の副作用が国民負担と環境に?エネルギー消費者の意識の納まり所、着地点に今後興味を抱きながら着目したいですね

 

 

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