政府は、22日今夏の電力需給対策に関して閣僚会議を開き、
数値目標を伴う節電要請を3年連続で見送る方針を決めた。
無理のない範囲で節電の協力を要請する。
太陽光発電の供給能力が高まっているためで、
トラブルが起きない限り、今夏の需給は安定しそうだ。
今年8月の大手電力9社(沖縄電力除く)の供給力は1億7393万キロワットで、
最大需要は1億6260万キロワットと予想した。
需給の余裕度を示す「予備率」は7%と、
最低限必要な3%を上回る。
太陽光発電の供給力が昨夏予想の2倍に膨らむ影響が大きい。
今夏は原子力発電所5基分に相当する510万キロワットを見込んでおり、
太陽光で需要の3%を賄う。
これにより、老朽化した火力発電所や水力発電所を休ませやすくなるという。
割安さを武器とする新電力に切り替える需要家が増えたことで、
大手電力の需要自体も落ち込んでいる。
政府は今夏、370万キロワット分(2010年夏比)の需要が
大手電力から新電力に流出すると試算している。