農地特有の手続きや設備、運搬、施工の制約を乗り越える
熊本駅からクルマで約30分間。広々とした農作地域の一角に、出力約900kWの太陽光発電所がある(図1)。農地の上に、隙間を空けながら太陽光パネルを設置し、農作物とパネルとで太陽の光を分け合っている。いわゆる「ソーラーシェアリング」とも呼ばれる「営農型太陽光発電所」(以下、営農型)である。
発電事業者は、個人の兼業農家である。その姓名をとって「中村太陽光発電所」と名付けられている。
「中村太陽光発電所」の周囲も、田畑に囲まれている。EPC(設計・調達・施工)サービスは、九電工が担当した。
太陽光パネルの下で栽培するのは、ミョウガ(茗荷)とサカキ(榊)である(図3)。サカキは、神事で使われることでも知られる。いずれも、日射量が限られた環境の中で、育成に向く作物である。
緑を減らさない太陽光発電所は豊で嬉しいですね