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もうひとつの太陽光電池

■塗って貼れ加工自在

政府は2030年の総発電量に占める再生可能エネルギーの目標値を22~24%にすると発表した。着々と大規模太陽光発電所(メガソーラー)の普及が進んでいる。太陽電池というとメガソーラーを連想する人が多い。

しかし、今、もうひとつの太陽電池が注目されている。それは塗料のように塗って使える有機薄膜太陽電池だ。

太陽電池とは、太陽光発電パネルの一つのセル(最小単位)をいい、シリコン系、・化合物系・有機系の3種類に大別できる。現在の主流は、シリコン系だ。ガラス基板上にシリコンの半導体を貼ったもので、重く硬く大きい。しかしエネルギー変換効率は高く20%台に達している。

化合物系は複数の化合物を組み合わせたもの。高性能だが高コストなどの課題が残る。

有機系は、電気を起こす部分に高分子ポリマーなどの有機系の半導体を使ったもの。有機薄膜太陽電池はここに分類される。低コストで軽く、フィルムなどに塗って曲面に貼るなど、望む形に加工できる。

有機系の欠点は、変換効率が低いこと。従来は6%程度だった。

理化学研究所は5月下旬、有機薄膜太陽光電池で変換効率10%を達成する技術を開発したと発表した。これまで民間企業が同程度のものを開発していたが、発電部の構造の詳細は公表していなかった。

一方、理研は開発した有機薄膜太陽電池の構造を公表した。太陽電池は光を吸収してプラスの電気とマイナスの電気をつくりだす。理研は、発電する部分の高分子の並びを解析し、電極を往来とは逆にすることで、電気をより流れやすくした。

 

有機薄膜太陽電池

 

 

 

 

 

有機薄膜太陽電池なら、ビルの壁面やブラインドカーテンに塗るなど、活用方法がひろがりそうだ。

時計や眼鏡など身につけるウエアラブル端末が話題だが、こちらにも応用できそうだ。例えば、有機薄膜太陽電池をかばんや服に貼り、ウエアラブル端末の電源として使う方法も模索できるだろう。