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再エネ蓄電池、太陽光接続保留問題で導入に点火 その3

 ■投資対効果で負けてはいない

大型蓄電池の導入支援などを手掛けるエッジ・エナソル・ジャパン(東京都港区)は2015年3月、北海道帯広市に建設するメガソーラーに大型蓄電池を併設すると発表した。すでに北海道電力との技術協議を完了したという。併設する予定の大型蓄電池の定格出力は3.3MW、容量は4.4MWhとなる。韓国SKイノベーション製の40フィートコンテナ型のリチウムイオン蓄電池システムを採用する。

メガソーラーの出力規模など詳細については未公表としているが、導入する蓄電池容量から換算すると、5MW程度とみられる。

北海道のプロジェクトが補助金なしで事業性を確保できるもの、韓国メーカーが低価格で蓄電池を提供していることが大きい。背景には、今後、ポストFITを睨んだ政府の後押しのよって、日本では再エネ併設型の蓄電池市場が拡大するとの読みがある。戦略的な価格を提示して、初期導入時に実績を示し、営業活動を優位に進める狙いとみられる。

こうした中で、接続保留に押され、予想より早く政府による補助金制度が始まり、国内に数十カ所の蓄電池併設型のメガソーラーや風力発電が導入されることになる。補助金を加えれば、韓国製に比べ割高感のある日本メーカー製の蓄電池を採用しても事業性を確保できるとみられる。

もともと「劣化速度の遅い日本メーカーの蓄電池は、交換費用も考慮すれば、投資対効果で決して韓国メーカー製に劣らない」との見方もある。今後、EPCサービス企業が各社の大型蓄電池システムを本格的に評価するなか、蓄電池の老舗である日本メーカーの技術力が問われることになる。

■蓄電池容量減らすシステム

同時に、補助金制度の後を睨み、蓄電池の初期投資を極力減らす制御システムや、ビジネスモデルを模索する動きも活発化しそうだ。

例えば、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、複数のPCSを統合制御する「メインサイトコントローラー(MSC)」という制御システムを蓄電池と組み合わせることで、蓄電池の容量を4割近く減らしても、北海道電力の要求する短周期変動対策を満たせることを提案している(図参照)。

蓄電池の容量を減らして初期投資を抑え、事業性を向上させる発想のほか、ビジネスモデルの工夫で蓄電池の投資負担を抑える方法も検討されている。補助制度の対象には、「短周期変動対策」に加え、需給バランスを改善する「長周期変動対策」も含まれる。実は、需給バランスを改善する長周期変動対策は、時間単位で抑制される太陽光の出力を充電することになるため、一般的に必要な蓄電池の容量(kWh)はさらに大きくなると考えられる。

ただ、出力抑制の手法や手順によっては、投資負担を抑えられる可能性もある。例えば、出力抑制をエリアごとに輪番で実施することになれば、1つの大型蓄電池をエリアの異なる複数のメガソーラー事業者でシェアして活用して投資コストを分散したり、蓄電池アグリゲーターのような事業者が登場する余地も出てくる。出力抑制の方法については現在、経産省の新エネルギー小委員会で検討中だが、小委員会の場でもこうした新ビジネスの可能性について念頭に置いている。

再エネ併設型の蓄電池市場が、補助金制度によって注目を集めることは間違いない。ただ、制度が終了しても自立的に成長するか否かは、補助金が呼び水となってどこまで蓄電池のコストが下がるのか、さらに蓄電池の投資コストを抑える高度な制御技術や新しいビジネスモデルの登場にかかっている。

※日本経済新聞より出典

 

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